【レザーカット 】

2017.8.1


私は”ヘアデザイン”を造るとき【レザー】を主に使います。
 
 


 
 
レザーカットというと、削がれる。髪が傷む。仕事が雑そうな悪いイメージもあるかもしれませんが、私の中でレザーカットは完全に“切る”道具です。
 
 
レザーで“削ぐ”ことや“軽く”することはやらずに、レザーで切ることによって得られる、“毛先感”を求めるために使っています。
 
ハサミで切ると毛先の “ブラント感” がどうしても出てしまうのですが、
レザーカットにはそれがない。
 
 
よって、各セクション(アンダー・ミドル・トップ)のレイヤーの重なりが綺麗につながり、毛先の収まりや左右に自由に動いてもなじみやすいヘアスタイルが作れるのです。
 
ただし、レザーカットはシザーカットより難しくて、気をつけなくてはいけないポイントが多々あります。
 
 
 
本当のレザーカットを知らない美容師に切られた方は言うでしょう。
 
「削がれた」「毛先が傷んだ」「パサパサになってしまった」
 
 
先ほども言いましたが、私のレザーカットは“切る”という概念しかなく、
いつも気をつけているのがストロークの幅。
ストロークの幅は最小限にし毛先のばらつきが出ない程度にしています。
 
各セクションとレイヤーが上手くつながるように狙った毛先感を作ること。
 
 
髪のウェット状態。
しっかり髪が濡れている状態で切る事。
レザーの刃も常に切れる状態を維持している事。
レザーを入れる角度。
左手のテンションのかけ方。
 
 
 
他にも大事なポイントはあるのですがワンパネル切る作業でも、かなり気をつけていることが沢山あります。
 
 
何度も言いますが、レザーカットで得られる質感は“毛先感”。
特に毛先の軽さやレイヤーのつながりがなじみやすかったり、
毛先の収まりの良さだったりします。
 
 
『重めのボブスタイルでも、毛先のブラント感を消して、毛先の厚みを取りながらなじみをよくして、収まりが良い。』
 
 
『レイヤースタイルでも、レイヤーのつながりも良く、毛先が左右に動いても毛先の収まりがよく、軽やかに動きが演出できる。』
 
 
『パーマスタイルでも、毛先の厚みや重みが程よくとれて毛先に動きがあってもボリュームを感じさせずカールやウェーブが自由に動かしやすい。』
 
 
私のヘアデザインを作るうえでの考え方は、パーマやカラーはヘアスタイルの付属であって、ベースのカットがとても重要だと考えています。
 
 
「骨格・髪質・癖・ダメージ」に合わせたデザインの考え方や切り方で、
ヘアスタイルの持ちが良く伸びてきても崩れないヘアスタイルを作れるからこそ、
数多くのお客様に支持してもらえる美容師になれるのだと思います。
 
 
サンクレストでも髪に良いオーガニック商材や、高級ドライヤーやヘアアイロンを使っておりますが、
カットで作り上げたヘアスタイルをさらに磨きをかけるものと考えているので、
美容師の本当の価値とは、『カットの技術』や『美容に関しての知識』『デザインのセンスや似合わせ』なのではないでしょうか?
 
 
もちろんお客様とコミニュケーションをとるための『人間力』も必要ですけどね。
 
 
本当に美容師の仕事は覚えることも沢山ですし技術練習も必要。
 
 
大変な職業だからこそ、もっともっと美容師ってすごいっ!!て言われて、
みんなに尊敬され、これからの若い子たちが将来やりたくなるような職業にしていきたいですね!
 
 
いつか美容師も、建築士みたいに『二級美容師』『一級美容師』みたいになる時代が来るかもしれないですよ(笑)
それまでに自分に投資できる時間があるうちに技術の習得や知識の勉強をしなくてはならないですね。